相続 × 遺言書トラブル
遺言書でよくある
トラブルと防ぎ方
形式不備・遺留分侵害・複数遺言・意思能力——
8つのよくあるトラブルパターンと具体的な予防策を解説します。
「せっかく遺言書を残したのに、家族が争っている」「遺言書が無効と言われた」——相続の現場では、遺言書をめぐるトラブルが後を絶ちません。遺言書は正しく作成・保管されて初めて効力を持ちます。形式上のミス一つで全文が無効になることも、遺留分の配慮を欠いたために裁判になることも珍しくありません。この記事では、実際によくある遺言書トラブルの8つのパターンと、その原因・防ぎ方を詳しく解説します。遺言書を作る前にも、すでに遺言書がある方にも必読の内容です。
著者より
銀行で相続業務を担当していた頃、「お父さんが遺言書を残してくれていたのに、もめてしまいました」とご相談に来られたご家族を何度も目にしました。遺言書があれば争いが防げるというのは必ずしも正しくなく、内容に配慮が欠けていたり形式に問題があれば、かえって紛争の火種になることもあります。
遺言書を「作る」ことよりも、「きちんと機能する遺言書を作る」ことが大切です。この記事でご紹介するトラブルパターンと予防策が、皆さんの遺言書作成に役立てば幸いです。
— 田中由美(AFP・相続診断士・元銀行員)
遺言書でよくある8つのトラブルパターン(一覧)
| No. | トラブルの種類 | 主な原因 | リスク |
|---|---|---|---|
| ① | 形式不備で遺言書が無効 | 日付・署名・押印の欠落、自書要件の不備 | 遺言書全体が無効 |
| ② | 複数の遺言書が見つかる | 過去に書いた遺言書が複数存在する | どれが有効か混乱 |
| ③ | 遺留分を侵害して紛争に | 特定の相続人に偏った遺言内容 | 遺留分侵害額請求・訴訟 |
| ④ | 遺言執行者の指定ミス・なし | 遺言執行者の不指定または不適切な選任 | 手続きの停滞・争い |
| ⑤ | 財産・相続人の特定が不十分 | 財産の記載が曖昧・相続人の特定が不明確 | 解釈の相違・無効の可能性 |
| ⑥ | 遺言能力(意思能力)を争われる | 認知症・病気・高齢による判断能力低下 | 遺言無効確認訴訟 |
| ⑦ | 遺言書の紛失・廃棄・改ざん | 自宅保管中の紛失・火災・第三者による廃棄 | 遺言書の消滅・偽造疑い |
| ⑧ | 検認前に開封・遺言書の内容が実態と乖離 | 封印された遺言書を検認なしで開封、財産の増減 | 過料・手続き遅延 |
トラブル①:形式不備で遺言書が無効になる
自筆証書遺言で最も多いのが、形式要件の不備による無効です。遺言書は法律で定められた形式要件(民法968条)を満たさなければ、内容がどれだけ明確でも法的効力を持ちません。「故人の気持ちがわかるのに、形式ミスで無効というのは酷だ」という感情論も理解できますが、法律はその要件を厳格に定めています。
| よくある形式不備 | 具体例 | 結果 |
|---|---|---|
| 日付の欠落・不特定 | 「令和〇年〇月吉日」「先月」など年月日が特定できない | 遺言書全体が無効 |
| 署名の欠落 | 署名なし、または代筆による署名 | 遺言書全体が無効 |
| 押印の欠落 | 「署名はしたが印鑑を押し忘れた」 | 遺言書全体が無効 |
| パソコン(ワープロ)で本文を作成 | 本文全体をパソコンで入力・印刷(財産目録は除く) | 自書要件を満たさず無効 |
| 訂正方法の誤り | 修正液・修正テープ使用、または法定手順を踏まない訂正 | 訂正部分が無効 |
| 複数ページの不備 | 複数ページにわたる遺言書で契印(割印)がない | ページの一体性に疑義 |
防ぎ方:書く前にルールを確認し、専門家に相談する
自筆証書遺言の正しい書き方を事前に確認し、書き終えたら形式チェックリストで検証しましょう。不安な方は、費用はかかりますが公正証書遺言にすることで形式不備のリスクをほぼゼロにできます。また、法務局の自筆証書遺言保管制度を利用すると、申請時に形式チェックを受けられるため、形式不備での無効リスクを大幅に下げられます。
トラブル②:複数の遺言書が見つかって混乱する
「10年前に書いた遺言書」と「3年前に書き直した遺言書」が両方見つかった——このケースでは、後から作成された遺言書(日付の新しいもの)が優先されます(民法1023条)。複数の遺言書が存在する場合、矛盾する部分については後の遺言書が前の遺言書を撤回したものとみなされます。
複数遺言書の優先ルール(民法1023条)
- 日付の新しい遺言書が最優先される
- 矛盾する部分は後の遺言書が前のものを撤回
- 矛盾しない部分は両方とも有効
- 日付が同一の場合は両者が有効(矛盾部分は後の遺言が優先)
- 新しい遺言書が全部撤回と明記すれば前の遺言書は全部無効
複数遺言書でよくあるトラブル
- どちらが最新かわからない(日付の確認が必要)
- 一方の遺言書を「知らなかった」として後から発覚
- 内容の矛盾部分をめぐる相続人間の解釈の相違
- 新旧両方の遺言書を各相続人が主張して対立
- 公正証書遺言と自筆証書遺言の併存(新しい方が優先)
防ぎ方:遺言書を書き直す際は古い遺言書を明示的に撤回する
遺言書を書き直す場合は、新しい遺言書の冒頭に「令和〇年〇月〇日付自筆証書遺言を撤回する」と明記することで、古い遺言書が完全に無効になります。また、古い遺言書は破棄するか、「撤回済み」と記して保管場所を分けるとよいでしょう。複数の遺言書を残さない管理が最大の予防策です。法務局保管制度を利用する場合も、古い遺言書の撤回申請(1,400円)を忘れずに行いましょう。
トラブル③:遺留分を侵害して相続人が請求してくる
「全財産を長男に相続させる」という遺言書は法的には有効ですが、遺留分(法律で保障された最低限の相続分)を侵害している場合、他の相続人から「遺留分侵害額の請求」をされるリスクがあります(民法1046条)。遺言書があっても遺留分の請求は防げません。
| 相続人の構成 | 遺留分の割合(総体) | 各相続人の遺留分 |
|---|---|---|
| 配偶者のみ | 1/2 | 配偶者:1/2 |
| 配偶者+子 | 1/2 | 配偶者:1/4、子:1/4÷子の人数 |
| 子のみ(配偶者なし) | 1/2 | 子全体で1/2÷子の人数 |
| 配偶者+直系尊属(父母等) | 1/2 | 配偶者:1/3、直系尊属:1/6 |
| 直系尊属のみ | 1/3 | 直系尊属全体で1/3÷人数 |
| 兄弟姉妹のみ・兄弟姉妹+配偶者 | なし | 兄弟姉妹に遺留分はない |
⚠ 遺留分侵害額請求の時効は1年
遺留分侵害額請求権は「相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から1年以内」に行使しないと消滅します(民法1048条)。また、知らなくても相続開始から10年経過すると消滅します。遺言書の内容が明らかになった段階で、他の相続人が速やかに動く場合もあります。
防ぎ方:遺留分を計算した上で遺言内容を設計する
遺言書を作成する前に、相続人の遺留分を計算し、それを下回る配分になっていないか確認しましょう。遺留分を下回る配分にする場合は、その理由(例:「介護への貢献」「特別受益として生前贈与済み」)を遺言書に付記したり、付言事項として気持ちを書き添えることで、相続人が請求を思いとどまる場合もあります。詳しくは遺留分侵害額請求の方法もご参照ください。
トラブル④:遺言執行者の指定ミスで手続きが止まる
遺言書に遺言執行者を指定していない、または相続人の一人を指定した場合、相続手続きがスムーズに進まないことがあります。遺言執行者は遺言書の内容を実現するために相続財産を管理し、各種手続きを行う権限を持ちます(民法1012条)。
| ケース | 問題点 | 対処法 |
|---|---|---|
| 遺言執行者の指定なし | 相続人全員の協力が必要になり、一人でも反対すると手続きが止まる | 家庭裁判所に遺言執行者の選任を申し立て(相続人全員または利害関係人) |
| 相続人の一人を指定 | 他の相続人から「自分に有利なように動いている」と疑われ対立が生じやすい | 第三者(弁護士・司法書士・信託銀行等)を指定すると中立性が保てる |
| 指定した遺言執行者が死亡・辞退 | 後任が指定されていない場合、手続きが止まる | 複数名を指定するか、後任者の指定条項を入れる |
| 遺言執行者が職務を放棄 | 職務を適切に行わない場合、解任申し立てが必要になり時間がかかる | 家庭裁判所に遺言執行者の解任を申し立て(正当な事由が必要) |
防ぎ方:第三者の専門家を遺言執行者に指定する
遺言執行者には、弁護士・司法書士・行政書士・信託銀行など中立的な第三者の専門家を指定することをおすすめします。費用は遺産の0.5〜1%程度が目安ですが、相続人間の対立を防ぎ、スムーズな手続きを確保できるメリットは大きいです。事前に本人の了承を得た上で遺言書に明記しましょう。
トラブル⑤:財産・相続人の特定が不十分で解釈が分かれる
「長男の太郎に家を相続させる」——一見わかりやすそうでも、「どの家か」「どの長男か(同姓同名の場合)」が不明確なケースがあります。財産や相続人の特定が不十分だと、遺言書の解釈をめぐって相続人間で争いが生じたり、最悪の場合、その部分の遺言が無効と判断されることもあります。
曖昧な記載例(NG)
- 「息子に家を相続させる」(どの息子?どの家?)
- 「現金のほとんどを長女に」(割合が不明)
- 「○○銀行の預金を相続させる」(支店・口座番号が不明)
- 「自宅の土地と建物」(所在地・地番の記載なし)
- 「その他の財産を均等に分ける」(残余財産の特定なし)
正確な記載例(OK)
- 「長男・田中一郎(昭和50年5月5日生)に」
- 「○○銀行○○支店 普通預金口座番号1234567を」
- 「東京都〇〇区〇〇町1丁目2番3号 宅地〇〇㎡(地番〇〇)を」
- 「相続財産の3分の1を配偶者・田中花子に」
- 「上記以外の一切の財産を長男・田中一郎に相続させる」
防ぎ方:登記簿・通帳の情報を正確にコピーして記載する
不動産は登記事項証明書の記載内容(所在地・地番・家屋番号・種類・構造・床面積)を正確に転記します。預貯金は銀行名・支店名・口座種別・口座番号まで記載します。自筆証書遺言では財産目録をパソコンで作成できるようになったため、通帳コピーや登記事項証明書のコピーを財産目録として添付するとより明確になります。
トラブル⑥:遺言能力(意思能力)を争われる
「認知症が進んでいたのに、誰かに言われて書かされたのではないか」——遺言作成時の意思能力(遺言能力)を問う「遺言無効確認訴訟」は、近年増加しています。遺言能力があるかどうかは、遺言書作成時点の状態で判断されます(民法963条)。認知症の診断があっても、その時点で意思能力があれば有効ですが、証明が難しい場合もあります。
| 証拠として有効なもの | 入手方法・注意点 |
|---|---|
| 医師の診断書(遺言作成日前後) | かかりつけ医に「〇年〇月〇日時点で判断能力があった」旨の診断書を作成してもらう |
| 公正証書遺言にする | 公証人が面談して意思確認を行うため、意思能力の証明力が高い。最も有力な証拠となる |
| 遺言書作成時の動画・録音記録 | 遺言者が自ら読み上げ・内容を説明している動画(法的義務はないが補強証拠として有効) |
| 介護記録・病院カルテ | 作成日前後の介護記録・通院記録が意思能力の状態を示す証拠になる |
| 遺言書に日付・理由を詳しく記載 | 「今日は令和〇年〇月〇日。○○の件について…」のように状況を詳細に記載すると意思能力の証明に役立つ |
防ぎ方:判断能力があるうちに、できれば公正証書遺言で作成する
認知症の発症前や早期段階に遺言書を作成することが最大の予防策です。判断能力が確かな時期であれば、公正証書遺言が最も意思能力の証明力が高く、後日の訴訟リスクを下げられます。高齢の方ほど早期の遺言書作成をおすすめします。
トラブル⑦:遺言書の紛失・廃棄・改ざんが起きる
自宅で保管していた遺言書が火災・水害で消失したり、相続人の一人が自分に不利な遺言書を廃棄・隠匿するケースも起きています。遺言書の廃棄・隠匿・偽造は相続欠格事由(民法891条)に該当し、その相続人は相続権を失います。しかし、廃棄・隠匿を証明するのは難しく、紛争に発展することも多いです。
自宅保管のリスク
- 火災・水害・地震による物理的な消失
- 遺言者の死後に家族が発見できない
- 発見者が内容を確認し廃棄・隠匿する
- ネコや虫など物理的な破損
- 遺言者が自分で処分した(意図的撤回でない場合も)
法務局保管制度・公正証書遺言の安全性
- 法務局保管:原本を国が保管→紛失・廃棄ゼロ
- 法務局保管:遺言者の生前は本人しか閲覧不可
- 公正証書遺言:原本が公証役場に永久保存
- 公正証書遺言:全国の公証役場で検索・謄本取得可
- いずれも改ざん・廃棄は事実上不可能
防ぎ方:法務局保管制度または公正証書遺言で確実に保管する
自宅保管の自筆証書遺言であれば、法務局の自筆証書遺言保管制度(3,900円)を活用することで紛失・廃棄・改ざんのリスクをほぼゼロにできます。また、公正証書遺言は原本が公証役場に保管されるため、同様に安全です。信頼できる家族や遺言執行者に「遺言書の存在と保管場所」を伝えておくことも重要です。
トラブル⑧:検認前に開封・遺言内容と財産実態の乖離
封印のある自筆証書遺言を家庭裁判所の検認を受けずに開封すると、5万円以下の過料に処される場合があります(民法1005条)。また、遺言書作成後に財産内容が大きく変わった場合(売却・購入・新たな借金等)も、遺言書の記載と実態が乖離して手続きが複雑になります。
検認が必要なケース
- 自宅保管の自筆証書遺言(封印あり・なし問わず)
- 秘密証書遺言
- 封印されている遺言書を発見した場合
- → 検認手続きの方法はこちら
検認が不要なケース
- 公正証書遺言(検認不要)
- 法務局保管の自筆証書遺言(遺言書保管法11条)
- → 「遺言書情報証明書」で相続手続きが可能
財産内容の乖離については、遺言書を定期的に見直すことが重要です。不動産の売却・新たな財産の取得・家族構成の変化(離婚・再婚・死亡等)があった際は遺言書の内容を更新しましょう。遺言書は「作ったら終わり」ではなく、ライフイベントに合わせて更新するものです。詳しくは遺言書を勝手に開けたらどうなるかの記事もご参照ください。
遺言書トラブルを防ぐための予防策チェックリスト
ここまで紹介した8つのトラブルを予防するために、遺言書作成前・作成時・作成後それぞれのチェックポイントをまとめました。
【作成前】準備段階のチェックリスト
- 相続人の範囲(誰が相続人になるか)を正確に把握している
- 相続財産の全体像(プラスの財産・マイナスの財産)を把握している
- 各相続人の遺留分を計算し、侵害しないか確認した
- 遺言書の種類(自筆・公正証書)を選んだ根拠がある
- 遺言執行者の候補者(第三者の専門家を含む)を考えている
- 相続人間の関係・事情(介護・特別受益等)を整理した
【作成時】記載内容のチェックリスト
- 年月日を「令和〇年〇月〇日」と明記している
- 本文を自筆(手書き)で書いている(財産目録はパソコン可)
- 遺言者の氏名を自署し、押印している
- 財産を登記事項証明書・通帳と照合して正確に記載している
- 相続人を氏名・生年月日で明確に特定している
- 訂正がある場合、法定の手順(二重線・印・署名・「〇字削除〇字追加」)で行っている
- 複数ページの場合、契印(割印)を全ページに押印している
- 付言事項(気持ち・理由)を添えている(任意だが紛争予防に有効)
【作成後】保管・管理のチェックリスト
- 法務局保管制度または公正証書遺言で確実に保管している
- 信頼できる家族・遺言執行者に遺言書の存在と保管場所を伝えている
- 保管証(法務局保管の場合)または謄本(公正証書の場合)を安全な場所に保管している
- ライフイベント(資産変動・家族構成変化等)の際に遺言書を見直すスケジュールを決めている
- 古い遺言書を撤回・廃棄し、最新の遺言書だけが有効な状態になっている
- 遺言書に記載した財産の変動(売却・新規取得等)を定期的にチェックしている
遺言書トラブルが起きたら誰に相談すべきか
遺言書をめぐるトラブルが発生したとき、または発生する前に相談できる専門家を知っておくことが重要です。それぞれ得意分野が異なるため、状況に応じて適切な専門家を選びましょう。
| 専門家 | 得意分野 | 費用の目安 | こんな時に |
|---|---|---|---|
| 弁護士 | 遺言無効確認訴訟・遺留分請求・相続人間の紛争解決・調停・審判代理 | 相談1時間5,000〜11,000円、着手金10〜30万円〜 | 遺言の有効性を争いたい・遺留分を請求したい・相続人間で対立している |
| 司法書士 | 遺言書作成支援・不動産名義変更(相続登記)・法務局保管申請補助・遺言執行 | 相談1時間5,000〜10,000円、登記費用5〜15万円〜 | 遺言書を作りたい・不動産を相続したい・遺言執行者になってほしい |
| 行政書士 | 遺言書作成支援・遺産分割協議書作成・相続手続き書類の作成 | 相談1時間3,000〜8,000円、書類作成3〜10万円〜 | 遺言書の書き方を確認したい・書類作成をサポートしてほしい |
| 税理士 | 相続税申告・相続税の節税対策・財産評価・生前贈与のアドバイス | 申告報酬:遺産総額の0.5〜1%程度 | 相続税がかかりそう・節税対策を考えたい・財産評価を依頼したい |
| 公証人(公証役場) | 公正証書遺言の作成・遺言内容の確認・遺言書謄本の発行 | 遺言書作成:5〜30万円程度(財産額による) | 公正証書遺言を作りたい・遺言書の謄本が必要 |
| AFP・FP | 相続全般の相談・遺言書を含む相続設計・専門家への橋渡し | 相談1時間5,000〜15,000円程度 | 相続全体について総合的に相談したい・どの専門家に頼むか迷っている |
まず無料相談で状況を整理しよう
弁護士・司法書士会では初回無料相談を実施している事務所が多くあります。また、市区町村の法律相談窓口・法テラス(日本司法支援センター)でも無料相談が受けられます。遺言書のトラブルは早めに専門家へ相談することで、解決策の選択肢が広がります。一人で悩まずに、まず専門家に話を聞いてもらうことをおすすめします。
トラブルが起きた場合の解決手順:調停・審判・訴訟の流れ
遺言書をめぐるトラブルが解決できない場合、法的手続きを通じて解決することになります。一般的には「話し合い→調停→審判・訴訟」の順に手続きが進みます。
よくある質問
まとめ
遺言書があれば相続争いが必ず防げるわけではありません。正しく作成・保管された遺言書があって初めて効力を発揮します。形式不備・遺留分侵害・意思能力の問題・紛失——これら8つのトラブルパターンを知った上で、きちんと機能する遺言書を準備しましょう。
- 形式不備(日付・署名・押印・自書)は遺言書を完全無効にする
- 複数の遺言書がある場合は日付の新しいものが優先(民法1023条)
- 遺留分は遺言書があっても排除できない→事前に計算して設計する
- 遺言執行者は第三者の専門家(弁護士・司法書士等)が理想
- 財産・相続人は登記簿・通帳の情報を正確に記載する
- 認知症を見越して早めに・できれば公正証書遺言で作成する
- 自宅保管は紛失・廃棄リスクあり→法務局保管制度または公正証書遺言を活用する
- 遺言書はライフイベントに合わせて定期的に見直す
自筆証書遺言の正しい書き方や公正証書遺言の作り方も参考に、遺言書のトラブルを事前に防ぐ準備を整えてください。相続手続き全体の流れも確認しながら、早めの対策をおすすめします。

