遺言書の検認とは?家庭裁判所での手続き手順・費用・必要書類まとめ

家庭裁判所で遺言書の検認手続きを行う|申立書と遺言書 遺言書

相続 × 遺言書

遺言書の検認とは?
家庭裁判所での手続き手順

なぜ必要なのか・申立て方法・費用・当日の流れまで
検認手続きのすべてをわかりやすく解説します。

検認の目的 申立て手順 費用と期間

自筆証書遺言が見つかったとき、多くの方が「開けていいのか?」「どうすればいいのか?」と戸惑います。日本の法律では、一定の遺言書については家庭裁判所で検認の手続きを受けなければ遺言執行(銀行解約・名義変更等)ができません。この記事では、検認とは何か・なぜ必要なのか・申立て手順・必要書類・費用・当日の流れ・検認後にすべきことまで、手続きの全体像をわかりやすく解説します。遺言書が見つかったときの最初の行動も合わせて確認しておきましょう。

著者より

ある午後、60代の女性が「検認に行ってきました」と銀行窓口にいらっしゃいました。手には遺言書と検認済証明書がセットで入った封筒。「先生(司法書士)に連れて行ってもらったのですが、1時間もかからなかったですよ」と穏やかな表情でした。
一方で、「検認が終わるまで2ヶ月もかかった。その間、銀行の手続きが何もできなくて困った」とおっしゃる方も多い。準備が整っていればスムーズに進む検認も、何を用意すればいいかわからないまま臨むと時間を無駄にしてしまいます。
検認の手続きは決して難しいものではありません。必要なことを知っていれば、一人でも対応できます。この記事が、その一助になれば幸いです。
— 田中由美(AFP・相続診断士・元銀行員)

検認とは何か:目的と法律上の位置づけ

遺言書の検認(けんにん)とは、家庭裁判所が遺言書の形状・内容・日付・署名押印などの現状を確認・記録する手続きです(民法1004条)。目的は遺言書の偽造・改ざんを防ぎ、現状を公的に保全することにあります。

⚠ 検認は「有効性の判断」ではない

よく誤解されますが、検認は遺言書の内容が法的に有効かどうかを判断する手続きではありません。検認が終わっても、形式不備(日付なし・押印なしなど)があれば無効になる場合があります。逆に、検認を受けた遺言書でも内容に問題がある(遺留分を侵害している、遺言能力がなかった等)場合は訴訟で争うことができます。「検認済み=有効」ではない点に注意してください。

検認でできること

  • 遺言書の現状(用紙・筆跡・日付・印・ページ数等)を公的に記録する
  • 偽造・改ざんが後から行われることを防ぐ
  • 相続人全員に遺言書の存在と内容を知らせる
  • 検認済証明書を取得し、遺言執行の手続きに使う

検認でできないこと

  • 遺言書の法的有効性を保証すること
  • 遺言内容の解釈・紛争解決
  • 遺言書の偽造・真正を鑑定すること
  • 遺留分侵害への対応

検認が必要な遺言書・不要な遺言書

遺言書の種類によって、検認が必要かどうかが決まります。必ず確認してから手続きに進みましょう。

遺言書の種類 検認 根拠法令 備考
自筆証書遺言(自己保管) 必要 民法1004条1項 最も一般的なケース
秘密証書遺言 必要 民法1004条1項 実務ではほとんど使われない
公正証書遺言 不要 民法1004条3項 公証役場が原本保管のため
自筆証書遺言(法務局保管) 不要 遺言書保管法11条 2020年7月導入の保管制度を利用した場合

検認申立ての手順:5つのステップ

自筆証書遺言(自己保管)または秘密証書遺言を発見した場合、以下の手順で検認申立てを行います。一人でも対応できる手続きですが、不安な場合は司法書士・弁護士に依頼することもできます。

STEP 1 管轄の家庭裁判所を調べる

申立て先は故人(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。裁判所の管轄は裁判所ウェブサイト(https://www.courts.go.jp)の「裁判所の管轄区域」ページから確認できます。故人が引越しを繰り返していた場合でも、最後の住所地の管轄裁判所に申立てます。

STEP 2 必要書類を収集する

以下の書類を準備します。書類の取得には1〜2週間程度かかる場合があります。

  • 遺言書(封がされているもの。開封しない)
  • 遺言者(故人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本(現在の戸籍謄本で可)
  • 申立書(家庭裁判所の書式を使用。裁判所窓口またはウェブサイトから入手)
  • 収入印紙800円(申立書に貼付)
  • 郵便切手(裁判所の指定額。数百円〜数千円程度)
STEP 3 申立書を作成・提出する

家庭裁判所の書式(裁判所のウェブサイトからダウンロード可)に記入します。記入内容は「申立人の情報・被相続人(故人)の情報・相続人全員のリスト・遺言書の状況(封の有無・保管場所・発見の経緯)」です。作成した申立書と必要書類を裁判所に窓口提出または郵送します。

STEP 4 検認期日の通知を待つ・期日に出席する

申立てから1〜2ヶ月後に家庭裁判所から検認期日の通知が相続人全員に送付されます。期日当日は申立人が裁判所に出席し、裁判官・書記官の立ち合いのもとで遺言書を開封します。他の相続人の出席は任意です(欠席しても検認は実施されます)。

STEP 5 検認済証明書を申請・取得する

検認が終わったら、遺言書に「検認済証明書」の申請を行います。費用は1通につき150円(収入印紙)。銀行・法務局での遺言執行には遺言書の原本+検認済証明書がセットで必要です。複数の金融機関等で手続きする場合は、必要な枚数分(2〜5枚程度)申請しておくとよいでしょう。

必要書類の詳細:各書類の取得方法と費用

書類収集が検認申立ての中で最も時間がかかる部分です。特に戸籍謄本は複数の市区町村をまたがる場合があり、早めに準備を始めることをおすすめします。

書類 取得先 費用(目安) 注意点
遺言者の出生〜死亡の戸籍謄本・除籍謄本 本籍地の市区町村役場 1通450〜750円×複数通 転籍・改製等で複数の本籍地にまたがる場合あり。「つながった戸籍」を取得する必要がある
相続人全員の現在の戸籍謄本 各相続人の本籍地の市区町村役場 1通450〜750円 相続人ごとに取得。遠方の場合は郵送申請も可
申立書 家庭裁判所窓口または裁判所ウェブサイト 無料 記入例を参考に作成。相続人の数が多い場合は別紙で一覧を添付する
収入印紙 郵便局・法務局・コンビニ等 800円 申立書に貼付して提出
郵便切手 郵便局 数百円〜数千円(裁判所の指定額による) 相続人全員への通知費用。裁判所ごとに必要額が異なるため事前確認を

💡 法定相続情報一覧図があれば戸籍収集が楽になる

相続手続き全般で必要になる「出生から死亡までの戸籍」を法務局に提出して作成する「法定相続情報一覧図」があれば、検認申立てを含む複数の手続きで戸籍謄本の束を何度も取り寄せる手間を省けます。銀行・法務局・証券会社など複数の相続手続きを同時に進める場合は、先に法定相続情報一覧図を作成しておくとスムーズです。

申立書の書き方:記入ポイント

家庭裁判所の検認申立書は、書式が決まっています。記入が必要な主な項目と書き方のポイントを解説します。

記入項目 書き方のポイント
申立人 遺言書を発見した相続人の氏名・住所・故人との続柄を記入。相続人であれば誰でも申立人になれる
被相続人(遺言者) 氏名・最後の住所・本籍地・生年月日・死亡年月日を記入。戸籍謄本・死亡診断書を見ながら正確に
相続人の表示 全相続人の氏名・住所・生年月日・続柄を記入。一覧表を別紙で添付する方式が一般的
遺言書の状況 封の有無(封がされているか否か)・遺言書の保管場所・発見の経緯・用紙の種類(和紙・洋紙等)・枚数を記入
遺言書の種類 自筆証書・秘密証書のどちらかを明記

検認期日当日の流れ

検認期日は、家庭裁判所の審判廷(会議室のような部屋)で行われます。厳格な雰囲気ではありますが、所要時間は通常30分〜1時間程度で終わります。

① 受付・本人確認

申立人が裁判所の書記官室に出頭。運転免許証・マイナンバーカード等の身分証明書で本人確認を行います。出席した相続人も同様に本人確認を受けます。

② 審判廷へ入室

裁判官・書記官が同席する審判廷に入室します。テレビドラマのような法廷ではなく、会議室に近い雰囲気です。出席できない相続人がいても手続きは進みます。

③ 封を開ける(裁判官立ち合い)

封がされている遺言書は、裁判官の前でこのとき初めて開封します。開封は通常、申立人が行います。この場が、法律上正式に封を開けることが許される場です。

④ 遺言書の状態確認・記録

裁判官・書記官が遺言書の用紙の種類・ページ数・日付・氏名・押印の有無・筆跡の特徴・訂正の有無などを確認・記録します。この記録が「検認調書」として残ります。出席した相続人全員が遺言書の内容を確認できます。

⑤ 終了・遺言書の返還

検認が終わると遺言書は申立人に返還されます。後日、検認済証明書の申請を行い(150円/通)、遺言書と検認済証明書がセットになって遺言執行に使えるようになります。

検認にかかる費用まとめ

検認の費用は書類取得費用を含めても比較的安価です。弁護士・司法書士に依頼する場合は別途報酬がかかります。

費用の種類 金額(目安) 備考
申立費用(収入印紙) 800円 申立書に貼付
郵便切手代 500〜3,000円程度 相続人の人数・裁判所により異なる
戸籍謄本・除籍謄本 数千円〜1万円程度 故人の転籍回数・相続人の人数によって変動
検認済証明書 150円/通 複数の手続き先がある場合は多めに取得
合計(自分で手続きする場合) 5,000〜15,000円程度 書類の数や取得方法により変動
司法書士・弁護士に依頼する場合 3〜10万円程度(報酬含む) 書類収集から代行してもらえる。複雑なケースや遠方の場合に便利

検認後にすること:遺言執行の流れ

検認済証明書を取得したら、遺言書の内容に従って相続手続きを進めます。相続手続きの全体の流れも確認しながら、期限に注意して進めてください。

すぐに確認すること

  • 遺言書の内容を相続人全員で確認
  • 遺言執行者が指定されているか確認
  • 相続放棄(3ヶ月)・相続税申告(10ヶ月)の期限を確認
  • 遺言書に記載されていない財産がないか確認

遺言執行の主な手続き

  • 不動産:法務局への相続登記申請
  • 預貯金:各金融機関への解約・名義変更申請
  • 株式:証券会社への名義変更申請
  • 遺言書に記載のない財産:遺産分割協議で決定

検認でよくあるトラブルと注意点

検認手続きでつまずきやすいポイントと、対処法をまとめます。

よくあるトラブル 対処法
故人の戸籍が途切れていて連続した戸籍が取れない 旧本籍地の市区町村役場に郵送申請する。廃棄されている場合は「廃棄証明書」を取得して代替
相続人の中に連絡がとれない・行方不明の人がいる 検認期日の通知は裁判所から全員に送る。出席は任意なので、連絡がとれなくても申立て・検認は進められる
申立てから検認まで2ヶ月以上かかってしまう 検認を待つ間でも相続放棄の期限(3ヶ月)が迫っている場合は、同時並行で家庭裁判所に放棄の申述を行うことができる
検認済みの遺言書を金融機関が受け付けてくれない 遺言書の形式不備(日付なし・押印なし等)がある場合は内容が無効の可能性がある。弁護士・司法書士に相談し、遺産分割協議書で対応することを検討する
検認前に誰かが遺言書を開封してしまった 開封しても遺言書の内容は無効にならない。遺言書を保管した上で速やかに家庭裁判所に検認申立てを行う。5万円以下の過料が科される場合があることを覚えておく
検認後に遺言書の内容に相続人が反発する 遺留分侵害がある場合は遺留分侵害額請求が可能。遺言書の無効を主張する場合は地方裁判所への提訴(遺言無効確認訴訟)を検討。弁護士に相談する

「出生から死亡までの戸籍」の集め方

検認申立てで最も手間がかかるのが、故人の「出生から死亡までの連続した戸籍」の取得です。これは、法定相続人が誰であるかを証明するために必要です。途中で本籍地が変わっていた場合(転籍・婚姻等)は複数の市区町村から取り寄せる必要があります。

① まず死亡時の戸籍謄本を取得する

故人が死亡した時点の本籍地の市区町村役場から「除籍謄本」を取得します。除籍謄本には転籍前の本籍地の記載があるため、これをたどって順番に古い戸籍を取り寄せます。

② 転籍前の本籍地の戸籍を順番に取り寄せる

転籍・婚姻・養子縁組などで本籍地が変わっていた場合は、それぞれの市区町村に郵送申請します。以下の書類を同封します:「戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本の申請書(各役場の書式)・申請者本人の身分証明書のコピー・返信用封筒(切手貼付)・定額小為替(手数料分)」。

③ 「改製原戸籍」に注意する

昭和・平成の法改正で戸籍の様式が変わり、古い形式の戸籍は「改製原戸籍(はらこせき)」と呼ばれます。連続した戸籍を揃えるためには改製前後のつながりを証明する必要があります。役場の担当者に「出生から死亡までの戸籍をすべて取得したい」と伝えるとサポートしてもらえます。

④ 戸籍が廃棄されている場合

保存期間(除籍謄本は150年)を過ぎると廃棄される場合があります。廃棄された場合は市区町村から「戸籍の廃棄証明書」を取得して代替します。家庭裁判所に事情を説明すれば対応してもらえます。

💡 「つながった戸籍」の確認のコツ

各戸籍には「従前戸籍」(前の戸籍)の記載があります。これを順番にさかのぼることで、出生まで連続した戸籍を揃えられます。出生が記載されている戸籍(通常、親の戸籍)まで取得すれば「出生まで連続した戸籍」が完成します。役場の窓口では「被相続人の戸籍を出生まで遡って揃えたい」と伝えると、必要な戸籍のリストを教えてもらえます。

検認の期間と他の相続手続きの期限の関係

検認申立てから検認期日まで1〜2ヶ月かかります。この期間中も相続放棄の3ヶ月期限相続税申告の10ヶ月期限は進行し続けます。タイムラインを把握して並行して動くことが重要です。

相続開始からの時期 期限・やること 検認との関係
発見後すぐ〜1〜2週間 遺言書の種類確認・検認申立て準備・書類収集開始 申立てを先送りにすると他の期限が迫る
相続開始から3ヶ月以内 相続放棄・限定承認の申述期限 検認を待たずに相続放棄は可能。遺言書の内容を確認してから判断する。迷うなら期間伸長の申立ても
申立てから1〜2ヶ月 検認期日(家庭裁判所で実施)・検認済証明書の取得 この間も放棄期限は進行中
相続開始から10ヶ月以内 相続税申告・納税期限 検認→遺言執行→財産確定→税申告の流れを逆算してスケジュールを立てる

⚠ 相続放棄を検討している場合:検認を待たずに動く

遺言書の内容を見て「借金が多い・不利な内容だ」と感じた場合でも、相続放棄の申述は検認手続きと並行して行えます。「検認が終わってから考えよう」と待っていると3ヶ月の期限を過ぎてしまう場合があります。相続放棄を検討している場合は、遺言書を発見した時点で弁護士・司法書士に相談し、検認申立てと並行して対応の判断を進めてください。

検認を専門家に依頼する場合

検認手続きは自分でも対応できますが、次のような場合は司法書士・弁護士への相談をおすすめします。

専門家に依頼すべきケース

  • 相続人間で遺言書の有効性に争いがある
  • 遺言書が偽造・改ざんされている可能性がある
  • 相続人が海外在住・行方不明などで連絡が難しい
  • 連続した戸籍の収集が困難(古い戸籍・廃棄等)
  • 遺言書の内容が複雑(事業用資産・複数不動産等)

自分で対応しやすいケース

  • 遺言書の内容に相続人全員が納得している
  • 相続人が少なく(2〜3人)、戸籍の収集が簡単
  • 故人が転籍していない(本籍地が1カ所)
  • 時間に余裕があり手続きに慣れている

検認済み遺言書が使えない場合:遺産分割協議書との使い分け

遺言書の検認を受けても、実際の相続手続きで使えない場面があります。遺産分割協議書がどのような場合に必要になるかを整理します。

状況 使うもの 理由
遺言書に特定財産の受取人が明示されている 遺言書+検認済証明書 遺言書の内容どおりに手続き可能
遺言書に記載されていない財産が見つかった 遺産分割協議書 遺言書に記載のない財産は協議で決める必要がある
遺言書の内容が無効の可能性がある(形式不備) 遺産分割協議書 相続人全員の合意があれば協議書で手続きできる
相続人全員が遺言書と異なる分け方に合意した 遺産分割協議書 相続人全員と受遺者全員の合意があれば遺言書と異なる分割もできる(受遺者が権利を放棄した場合等)

よくある質問

Q. 検認は相続人の一人でも申立てできますか?全員の同意が必要ですか?

相続人のうちの一人が単独で申立てできます。他の相続人全員の同意は不要です。申立てを行った後、家庭裁判所が相続人全員に検認期日の通知を送ります。他の相続人は期日に出席することも欠席することも自由です。出席した相続人は遺言書の内容を確認できます。

Q. 検認後、遺言書の原本はどこに保管されますか?

検認後の遺言書の原本は申立人に返還されます(家庭裁判所には保管されません)。返還された遺言書に検認済証明書を添付した状態で保管し、銀行・法務局等での手続きに使用します。検認調書(検認の記録)は家庭裁判所に保管され、利害関係人は閲覧・謄写を申請できます。

Q. 検認が終わっても銀行が手続きを受け付けてくれません。なぜですか?

考えられる原因はいくつかあります。①遺言書に形式不備(日付なし・押印なし・全文自筆でないなど)があり、金融機関が有効性に疑義を持っている。②遺言書の内容(財産の特定・受取人の明示)が不明確で対応できない。③検認済証明書の枚数が足りない(別のコピーでは受け付けない金融機関がある)。いずれの場合も弁護士・司法書士に相談し、遺産分割協議書での対応を検討することをおすすめします。

Q. 検認の申立てを郵送で行えますか?期日当日は本人が出席しないといけませんか?

申立書・必要書類の提出は郵送でも可能です。ただし、検認期日当日は申立人本人が家庭裁判所に出席する必要があります(代理人(弁護士等)に依頼することも可能)。期日当日に遺言書を裁判所に持参する必要があるため、郵送では対応できません。他の相続人の出席は任意で、欠席しても検認は行われます。

Q. 遺言書が複数見つかった場合、検認は何回必要ですか?

遺言書が複数ある場合は、それぞれについて検認の申立てが必要です。ただし、同じ家庭裁判所に同時に申立てを行えば、同じ期日にまとめて検認してもらえる場合があります。複数の遺言書がある場合は、日付が新しいものが矛盾する部分において優先されます(民法1023条)。どちらが有効かについては、弁護士に確認することをおすすめします。

Q. 遺言書の検認を怠った場合(放置した場合)、どうなりますか?

検認を行わないまま遺言書を使って不動産の名義変更や銀行の解約をしようとしても、法務局・金融機関は受け付けません。また、検認申立てそのものを怠ることへの直接の罰則はありませんが、時間が経つほど相続税申告期限・相続放棄期限が迫り、困難な状況になります。遺言書が見つかったら、速やかに(目安として1〜2週間以内に)申立てを行うことをおすすめします。

まとめ

遺言書の検認は、偽造・改ざんを防ぐための現状保全手続きです。「有効性の判断」ではない点に注意しながら、手続きを進めましょう。

  • 自筆証書遺言(自己保管)・秘密証書遺言は検認が必要(公正証書・法務局保管は不要)
  • 申立て先は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
  • 費用は収入印紙800円+郵便切手+戸籍代+検認済証明書150円
  • 期間は申立てから検認期日まで1〜2ヶ月
  • 期日当日は申立人が遺言書を持参して出席(他の相続人の出席は任意)
  • 検認後は遺言書+検認済証明書のセットで遺言執行の手続きへ
  • 検認は有効性を保証しない——内容に問題があれば弁護士に相談

遺言書が見つかったときの最初の行動遺言書の種類と違いも合わせて確認し、相続手続き全体の流れを把握した上で手続きを進めましょう。

タイトルとURLをコピーしました