相続税理士と相続代行サービスはどう違う?機能・料金・対応範囲を元銀行員AFPが徹底比較

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Tax Accountant vs Inheritance Agency

相続税理士と相続代行サービスはどう違う?

機能・料金・対応範囲を元銀行員AFP田中由美が徹底比較
似ているようで全く違う2つのサービスを正しく理解しよう

独占業務の違い 料金体系の違い 選び方のポイント

「相続の相談先を調べていたら、『相続税理士』と『相続代行サービス』というのが出てきた。名前は似ているけれど、何が違うのだろう?料金もかなり違うし、どちらに頼めばいいか分からない」——相続手続きを誰かに任せたいと考えたとき、多くの方がこの2つの選択肢に戸惑います。両者はともに「相続の専門家」を名乗っていますが、実は国家資格・独占業務・対応範囲・料金体系が根本的に異なります。違いを理解せずに選ぶと「相続税の申告が必要だったのに代行サービスに依頼してしまい、結局別に税理士を雇うことになった」「手続きだけで済むのに税理士に依頼して高額な費用を払った」といったミスマッチが起こります。この記事では、元銀行員でAFP・相続診断士の田中由美が、両者の違いを徹底比較し、あなたに合った選び方をお伝えします。

この記事でわかること

  • 相続税理士と相続代行サービスの根本的な違い(国家資格・独占業務)
  • 税理士法52条が定める税理士の独占業務の範囲
  • 行政書士・司法書士の独占業務(書類作成・登記代理)
  • 対応範囲の違いを一覧表で確認
  • 料金の違い(税理士は遺産総額の0.5〜1%・代行サービスは36万〜65万円)
  • 相続税理士が向いている人・相続代行サービスが向いている人
  • 両方必要な場合の連携方法とワンストップサービスの活用法
  • 3タイプ比較早見表・よくある質問・選び方の判断チャート

著者:田中由美(AFP・相続診断士・元銀行員)

銀行員を退職して相続相談の仕事をするようになってから、「相続の代行屋さんに頼んだのですが、相続税の申告は別にお願いしてくださいと言われました」というご相談を何件もお受けしてきました。

特に印象に残っているのは、お父様を亡くされた佐藤さん(仮名・58歳)のケースです。佐藤さんはインターネットで「相続代行 費用」と検索し、「一括40万円で全ておまかせ」を謳う行政書士系の代行サービスに依頼されました。ところが手続きが進んだ段階で「相続税の申告が必要なので税理士さんをご紹介します」と言われ、結局別途税理士にも50万円を支払うことに。「最初から税理士さんに頼めば、もう少し安く済んだかもしれない」と肩を落とされていました。

佐藤さんのケースで問題だったのは、相続税の申告が必要な財産規模(基礎控除4,800万円超)だったのに、税理士ではなく行政書士系の代行サービスに依頼してしまったことです。行政書士は税務業務(相続税申告書の作成)を法律上行うことができないため、税理士への再委託が必要となり、結果として二重費用が発生してしまいました。

相続の相談先選びは、まず「自分のケースに相続税申告が必要かどうか」を判断することから始めるべきです。この記事では、佐藤さんのような混乱を避けていただくため、税理士と代行サービスの違いを徹底的に整理します。

相続税理士と相続代行サービスの根本的な違い

まず押さえておきたいのは、両者は「異なる国家資格・異なる法律」に基づくサービスだということです。「相続代行サービス」という名称はあくまで営業上の呼称であり、法律上の資格名ではありません。実際に業務を行っているのは行政書士・司法書士といった国家資格者です。

相続税理士(税理士)

根拠法:税理士法

独占業務:税務代理・税務書類の作成・税務相談(税理士法52条)

主な役割:相続税申告書の作成・節税対策・税務調査対応・準確定申告

相続代行サービス(行政書士系)

根拠法:行政書士法・司法書士法

独占業務:官公署提出書類の作成(行政書士)・登記申請代理(司法書士)

主な役割:戸籍収集・遺産分割協議書作成・名義変更・口座解約手続き代行

重要:独占業務を越えた依頼は法律違反になる

税理士資格がない行政書士・司法書士が相続税申告書を作成するのは税理士法違反(無資格営業)となります。逆に、税理士が登記申請を代理することも司法書士法違反となります。そのため、代行サービスでは「相続税申告は別途税理士と提携」という形で対応しており、税理士でも「不動産登記は司法書士と連携」というケースが一般的です。独占業務の縛りを知らないと、依頼先選びで失敗しやすくなります。

税理士事務所のイメージ

税理士の独占業務:相続税申告(税理士法52条)

税理士法第52条では「税理士又は税理士法人でない者は、この法律に別段の定めがある場合を除くほか、税理士業務を行つてはならない」と明記されています。つまり税務代理・税務書類の作成・税務相談は税理士の独占業務であり、他の資格者は原則として行うことができません。

税理士の独占業務3つ(税理士法2条1項)

① 税務代理

税務官公署(税務署等)に対する申告・申請・請求・陳述・主張等の代理行為。税務調査への立会いもこれに該当します。

② 税務書類の作成

相続税申告書・準確定申告書・贈与税申告書など、税務官公署に提出する申告書類の作成。有償・無償を問わず税理士以外は作成できません。

③ 税務相談

税金の計算・納税額・節税対策に関する個別具体的な相談への回答。一般的な解説は除かれますが、個別案件への助言は税理士業務となります。

相続税理士が対応する具体業務

業務内容 詳細
相続税申告書の作成・提出 財産評価・税額計算・申告書作成。相続開始から10ヶ月以内に税務署へ提出
財産評価(不動産・非上場株式等) 路線価・倍率方式による不動産評価・小規模宅地等の特例適用・非上場株式の評価
節税対策の提案 配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例・障害者控除・未成年者控除などの適用検討
準確定申告 被相続人の死亡年の所得税申告(4ヶ月以内)
税務調査対応 税務署からの調査通知への対応・立会い・質問応答
書面添付制度の活用 税理士が申告内容を保証する書面を添付することで税務調査リスクを低減

相続税申告が必要なケースとは

相続税の申告は遺産総額が基礎控除額を超える場合に必要です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算します。

  • 法定相続人1人:基礎控除3,600万円
  • 法定相続人2人:基礎控除4,200万円
  • 法定相続人3人:基礎控除4,800万円
  • 法定相続人4人:基礎控除5,400万円

遺産総額が基礎控除以下の場合は、税務署への申告は不要です。ただし配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例を適用する場合は、税額がゼロでも申告が必要です。

相続代行センターのイメージ

行政書士・司法書士の独占業務(書類作成・登記代理)

相続代行サービスの運営主体となっている行政書士・司法書士にも、それぞれ独占業務があります。司法書士法73条では登記申請の代理が、行政書士法では官公署に提出する書類の作成が定められています。

司法書士の独占業務(司法書士法73条)

司法書士法73条では「司法書士会に入会している司法書士でない者は、第3条第1項第1号から第5号までに規定する業務を行つてはならない」と定められており、不動産登記・商業登記の申請代理は司法書士の独占業務です。

  • 相続登記(不動産の名義変更):2024年4月1日から義務化(3年以内に申請しないと10万円以下の過料)
  • 法定相続情報証明制度の申出:相続関係を一覧図にまとめた証明書の取得
  • 遺産分割調停・審判の書類作成(簡裁代理権を持つ司法書士)
  • 相続放棄の申述書作成(家庭裁判所提出)

行政書士の独占業務(行政書士法1条の2)

行政書士法1条の2では「他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成することを業とする」ことが行政書士の業務とされています。相続においては以下のような業務を担います。

  • 遺産分割協議書の作成:権利義務に関する書類として行政書士が作成可能
  • 戸籍謄本・除籍謄本の収集代行:相続人調査のための戸籍収集
  • 相続関係説明図の作成
  • 預貯金・有価証券の名義変更書類の作成・収集代行
  • 自動車の名義変更(運輸支局への書類提出)

行政書士・司法書士が行えない業務

  • 相続税申告書の作成:税理士の独占業務(税理士法違反となる)
  • 遺産分割の調停代理(弁護士の業務):相続人間で争いがある場合は弁護士のみが代理可能
  • 税務相談:節税対策や税額計算の個別相談は税理士の独占業務

相続代行サービスに依頼する際は「相続税申告が必要かどうか」を事前に確認し、必要な場合は税理士と提携している事務所を選ぶか、税理士に直接依頼することが重要です。

対応範囲の違い一覧表

相続に関わる主要な業務について、税理士と相続代行サービス(行政書士系)がそれぞれ対応できる範囲を一覧で比較します。「○」は単独で対応可能、「△」は提携先と連携して対応、「×」は対応不可を表しています。

業務内容 相続税理士 代行サービス
(行政書士系)
代行サービス
(司法書士系)
相続税申告書の作成・提出 ×(△提携) ×(△提携)
節税対策・財産評価 × ×
準確定申告 × ×
税務調査対応 × ×
相続登記(不動産名義変更) ×(△提携) ×(△提携)
遺産分割協議書の作成
戸籍収集・相続人調査
預貯金・証券口座の解約・名義変更
相続放棄の申述書作成 × ×(△提携)
遺産分割調停・審判代理 ×(弁護士提携) ×(弁護士提携) △(簡裁代理権)
自動車の名義変更

一覧表からわかる重要なポイント

相続税申告が必要な場合、税理士への依頼が必須。代行サービスは「税理士提携」がある事務所を選ぶ必要がある。

不動産の相続登記が必要な場合、司法書士系の代行サービスまたは司法書士との提携がある税理士事務所が望ましい。

争いがある場合は弁護士への相談が必要。税理士も行政書士も調停代理はできない(司法書士は簡裁代理権のある一部のみ可能)。

料金の違い(税理士は遺産総額の0.5〜1%・代行サービスは36万〜65万円)

料金体系も両者で大きく異なります。税理士は「遺産総額に対する報酬率(成功報酬型)」代行サービスは「定額パッケージ型」が主流です。それぞれの料金相場を確認しましょう。

税理士の料金相場(相続税申告)

遺産総額 報酬の目安(0.5〜1%) 備考
5,000万円 25〜50万円 最低報酬30万円とする事務所が多い
7,000万円 35〜70万円 不動産含む場合は加算あり
1億円 50〜100万円 相続人が多い場合は加算される
2億円 100〜200万円 非上場株式評価がある場合は高額に
5億円 250〜500万円 複雑な財産構成で加算あり

税理士報酬に加算される要素

  • 相続人が4人以上:1人増えるごとに基本報酬の10〜15%加算
  • 土地の評価:1筆あたり5〜10万円
  • 非上場株式の評価:1社あたり15〜30万円
  • 書面添付制度の利用:基本報酬の10〜20%加算
  • 申告期限までの期間が短い(3ヶ月以内等):基本報酬の20〜50%加算

相続代行サービスの料金相場

プラン 料金 対応内容
書類収集のみプラン 10〜20万円 戸籍収集・相続関係説明図作成のみ
ライトプラン 30〜40万円 戸籍収集+遺産分割協議書+金融機関手続き(2〜3件)
スタンダードプラン 36〜50万円 戸籍+遺産分割協議書+金融機関手続き(5件程度)+不動産登記(司法書士提携)
フルサポートプラン 50〜65万円 ほぼ全ての手続き+税理士提携(相続税申告は別途30〜50万円)
ワンストッププラン 70〜150万円 税理士・司法書士・弁護士が連携し、全て一つの窓口で完結

料金比較で注意すべきこと

代行サービスの「36万円〜」という料金は一見安く見えますが、相続税申告が必要な場合は別途30〜50万円の税理士費用が発生します。つまり合計で66〜115万円となり、最初から税理士事務所(司法書士・行政書士と提携あり)に依頼した方が総額で安く済むケースも少なくありません。「自分に相続税申告が必要かどうか」を先に確認し、必要なら税理士を起点に、不要なら代行サービスを起点に選ぶのが賢い選び方です。

相続税理士が向いている人(相続税申告必要・節税したい)

次の条件のいずれかに当てはまる方は、税理士への依頼を最優先にすべきです。税理士経由で司法書士・行政書士を紹介してもらうほうが、トータルで効率的で費用も抑えられることが多いです。

① 相続税申告が必要なケース

遺産総額が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人数)を超えている。相続税申告は税理士の独占業務なので、代行サービス単独では対応できません。

② 節税対策をしたい

配偶者の税額軽減・小規模宅地等の特例・生命保険金非課税枠・贈与税の特例など、適用できる特例を最大限活用して節税したい場合は税理士の専門性が必要です。

③ 不動産の評価が複雑

広大地・不整形地・借地権・貸宅地・賃貸アパートなど、財産評価で減額要素のある不動産がある場合。適切な評価ができれば数百万円以上の節税につながることがあります。

④ 非上場株式がある

被相続人が会社経営者で自社株式(非上場株式)を保有している場合、株価評価が非常に複雑で税理士の専門知識が不可欠です。事業承継税制の適用検討も必要です。

⑤ 税務調査が心配

相続税申告後に税務調査が入るケースは約10%。書面添付制度を活用すれば調査リスクを大幅に低減できます。これは税理士だけが利用できる制度です。

⑥ 生前贈与の履歴が多い

生前に贈与を行っていた場合、相続開始前7年以内(2024年改正以降)の贈与は相続財産に加算する必要があり、過去の贈与税申告状況も含めた総合的な検討が必要です。

田中由美のアドバイス:税理士選びは「相続専門」かどうかを重視

税理士といっても、法人税・所得税を専門とする税理士と相続税を専門とする税理士がいます。相続税申告は独特の専門性が必要な分野で、「年間100件以上の相続税申告実績がある」「書面添付制度を導入している」税理士事務所を選ぶと安心です。詳しくは相続税に強い税理士の選び方の記事も参考にしてください。

相続代行サービス(行政書士系)が向いている人

一方で、次の条件に当てはまる方は行政書士・司法書士系の相続代行サービスが向いています。費用も抑えられ、手続きもスムーズに進められます。

① 相続税申告が不要

遺産総額が基礎控除以下(例:法定相続人3人で4,800万円以下)の場合。相続税申告の必要がないため、税理士は不要で、行政書士・司法書士系の代行サービスで十分対応できます。

② 不動産の名義変更だけ必要

2024年4月1日から相続登記が義務化され、3年以内に申請しないと10万円以下の過料が課される可能性があります。司法書士系の代行サービスであれば登記までワンストップで対応可能です。

③ 預貯金口座の解約が面倒

金融機関ごとに異なる手続き・書類・窓口対応が大変で、平日に何度も銀行に足を運ぶ時間がない方。代行サービスなら複数の金融機関の手続きをまとめて代行してくれます。

④ 戸籍収集が複雑

被相続人が転籍を繰り返している、本籍地が遠方にある、相続人が多数いるなど、戸籍収集が複雑な場合は専門家に依頼すると大幅な時間節約になります。

⑤ 遠方の不動産がある

地方の法務局・市役所への書類提出が必要な場合、代行サービスなら郵送等で対応してくれます。自分で出向く手間が省けます。

⑥ 相続人同士の関係は良好

相続人同士で争いがなく、遺産分割協議がスムーズに進む見込みがある場合。争いがある場合は弁護士が必要で、代行サービスでは対応できません。

代行サービス選びで確認すべきこと

  • 運営主体が行政書士法人・司法書士法人など国家資格者であるか(無資格者の違法サービスに注意)
  • 相続税申告が必要になった場合の税理士提携があるか
  • 不動産登記は自社の司法書士または提携司法書士が対応するか
  • 見積もりが明確で、追加費用の発生条件が明文化されているか
  • 実績件数・口コミ・運営歴を公式サイトで確認できるか

両方必要な場合の連携方法(別々に頼む or ワンストップサービス)

相続税申告+手続き代行の両方が必要な場合、主に2つの依頼方法があります。それぞれのメリット・デメリットを比較し、自分に合った方を選びましょう。

方法①:税理士と代行サービスを別々に依頼する

メリット:それぞれの分野の専門性が高い事務所を選べる。自分で比較検討できる。

デメリット:窓口が複数になり、情報共有・スケジュール調整が煩雑。同じ書類を複数の事務所に提出する必要がある。総額も高くなりがち。

向いている人:財産構成が単純で、税理士・代行サービスそれぞれに詳しい方。時間的余裕があり、自分で調整できる方。

方法②:ワンストップサービスを利用する

メリット:税理士・司法書士・行政書士・弁護士がチームで対応。窓口が1つで情報共有もスムーズ。総合的な相続対策が可能。

デメリット:各専門家が社内連携するタイプと、外部提携に頼るタイプがあり、後者は連携の質にばらつきがある。料金体系が複雑な場合がある。

向いている人:財産構成が複雑で複数の専門家が必要な方。忙しくて窓口を一本化したい方。初めての相続で判断に自信がない方。

別々依頼 vs ワンストップの選び方早見表

  • 財産5,000万円未満 → 代行サービス単独(税理士不要のケースが多い)
  • 財産5,000万円〜1億円・シンプル → 税理士(司法書士提携あり)に一本化
  • 財産1億円以上・複雑 → ワンストップサービス推奨
  • 相続人間で争いあり → 弁護士主導のワンストップサービス必須
  • 非上場株式・広大地あり → 相続専門税理士に一本化

ワンストップサービスという第3の選択肢(税理士+司法書士+弁護士連携)

税理士・代行サービスの枠を超えた「ワンストップ型の相続支援サービス」が近年増えています。これは税理士(相続税申告)+司法書士(不動産登記)+弁護士(紛争対応)+行政書士(書類作成)などを一つの窓口に集約し、連携して対応する仕組みです。

ワンストップサービスの特徴

① 窓口の一本化

依頼者は1つの事務所とだけやり取りすれば、必要に応じて各専門家が対応。同じ説明を何度もする必要がなく、情報共有もスムーズ。

② 総合的な相続対策

税務・法務・不動産の各視点から総合的に対策を検討できる。節税と紛争回避の両立など、単一の専門家では見えない視点が得られる。

③ スケジュール調整の効率化

相続税申告(10ヶ月以内)・相続登記(3年以内)・遺産分割協議など、期限管理を事務所側で一元管理してもらえる。

④ 総費用の可視化

全体の見積もりを最初に提示してもらえるため、別々に依頼した場合よりも総額が予測しやすい。想定外の追加費用発生を抑えられる。

ワンストップサービスの注意点

  • 社内連携型 vs 外部提携型:各専門家が同じ事務所の社員として働く「社内連携型」と、別事務所と業務提携する「外部提携型」がある。連携の質・スピードに差が出やすい。
  • 料金の明瞭さ:パッケージ料金として提示されることが多いが、内訳を必ず確認する。追加発生する費用の条件も事前に確認。
  • 得意分野の偏り:事務所によって「相続税申告に強い」「遺産分割に強い」など得意分野が異なる。自分のケースに合った事務所を選ぶ。
  • 実績の確認:「ワンストップ対応」を謳いつつ、実際には提携が形骸化しているケースもある。年間対応件数・口コミを確認する。

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3タイプ比較早見表

「税理士」「代行サービス」「ワンストップサービス」の3タイプを、主要項目で比較した早見表です。自分のケースに合ったサービスを選ぶ参考にしてください。

比較項目 相続税理士 代行サービス ワンストップ
運営主体 税理士・税理士法人 行政書士・司法書士 複数士業の連合組織
相続税申告 ○(本業) ×(提携税理士) ○(自社内税理士)
不動産登記 △(提携司法書士) △(司法書士系は○) ○(自社内司法書士)
遺産分割協議書
料金相場(総額) 50〜150万円 36〜65万円 80〜200万円
節税対策 ×
紛争対応(弁護士) × ×(弁護士提携)
向いているケース 相続税申告必要・節税重視 申告不要・手続きのみ 複雑な財産・忙しい方
窓口の数 1(提携先含め2〜3) 1(税理士提携で2) 1(社内完結)

判断チャート(簡易版)

Q1. 相続税申告は必要ですか?(遺産総額が基礎控除超え)

 → Yes:次へ/No:代行サービス(行政書士系)を検討

Q2. 財産構成は複雑ですか?(不動産複数・非上場株式・生前贈与多数など)

 → Yes:ワンストップサービスを検討/No:次へ

Q3. 相続人間で争いがありますか?

 → Yes:弁護士主導のワンストップサービス/No:次へ

Q4. 窓口を一本化したいですか?

 → Yes:ワンストップ or 相続専門税理士(司法書士提携)/No:税理士+代行サービスを別々に

よくある質問(Q&A)

Q. 相続税理士と相続代行サービスは、結局どちらが安いですか?

A. ケースによります。相続税申告が不要な場合は代行サービス(36〜65万円)が安く済みます。一方、相続税申告が必要な場合は、代行サービスに税理士費用(別途30〜50万円)が加算されるため、最初から税理士に一本化した方がトータルで安くなることが多いです。まず「相続税申告が必要かどうか」を確認することが、最適な選択肢を決める第一歩です。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人数」で計算できます。

Q. 行政書士が相続税申告書を作ってくれると言っているのですが、大丈夫ですか?

A. いいえ、大丈夫ではありません。行政書士が相続税申告書を作成するのは税理士法52条違反(無資格営業)です。このような事務所は違法行為を行っているため、絶対に依頼しないでください。正規の代行サービスは「相続税申告は提携税理士にお任せします」と明言し、税理士と連携して対応します。依頼前に「相続税申告は誰が担当するのか」「その方は税理士資格をお持ちか」を必ず確認してください。

Q. 税理士に頼めば、不動産の相続登記もやってくれますか?

A. 税理士は相続登記(不動産の名義変更)を直接行うことはできません。登記申請は司法書士の独占業務(司法書士法73条)だからです。ただし、相続専門の税理士事務所のほとんどは司法書士と提携しており、紹介・連携してもらえます。窓口は税理士一本でも、実際の登記業務は提携司法書士が担当する形です。依頼前に「司法書士との連携体制」「連携費用の取り扱い」を確認すると安心です。2024年4月からは相続登記が義務化されているため、不動産がある場合は必ず手続きを行いましょう。

Q. ワンストップサービスの方が安心と聞きましたが、デメリットはありませんか?

A. ワンストップサービスは「窓口の一本化」「総合的な対策」という大きなメリットがあります。一方で、料金が個別に依頼するよりやや高くなる傾向があること、得意分野が事務所によって偏りがあること、社内連携型と外部提携型で連携の質に差があることなどのデメリットもあります。依頼前に「各分野(税務・登記・紛争)の担当者は誰か」「社内所属か外部提携か」「年間対応件数はどのくらいか」を確認しましょう。詳しくはワンストップ相続支援サービスの解説記事も参考にしてください。

Q. 相続代行サービスに依頼した後、相続税申告が必要と発覚した場合はどうなりますか?

A. 代行サービスが税理士と提携している場合は、提携税理士への依頼(別途30〜50万円程度)に切り替わります。提携がない場合は、自分で税理士を探して別途依頼する必要があります。申告期限(相続開始から10ヶ月以内)が迫っていると、税理士が受けてくれない可能性や、追加料金(緊急対応)が発生する可能性があります。依頼前に「相続税申告の要否判定を事前に行ってもらえるか」「申告が必要な場合の対応・料金」を必ず確認してください。

Q. 相続人同士で争いがある場合、代行サービスに依頼できますか?

A. 相続人間で争いがある場合は、弁護士の代理権が必要になります。行政書士・司法書士(簡裁代理権のない司法書士)・税理士は、相続人の代理人として交渉したり調停を行ったりすることができません。弁護士法72条(非弁行為の禁止)に違反するためです。争いがある・争いになりそうな場合は、最初から相続に強い弁護士への相談をお勧めします。弁護士を中心としたワンストップサービスを利用する方法もあります。

Q. 税理士事務所や代行サービスを選ぶ際、最も重視すべきポイントは何ですか?

A. 最も重要なのは「相続専門かどうか」です。税理士の中でも相続税申告の年間実績が多い(年間100件以上が目安)事務所は、財産評価・特例適用のノウハウが豊富で、節税効果も期待できます。代行サービスも同様に、相続手続きの年間実績を確認しましょう。次に重要なのは連携体制(司法書士・弁護士等との提携)、料金の明瞭性、口コミ・評判です。詳しい選び方は相続専門家の選び方相続税に強い税理士の選び方の記事を参考にしてください。

Q. 相続手続きを自分でやることはできますか?専門家に頼まないと駄目ですか?

A. 相続手続きの多くは自分で行うことも可能です。戸籍収集・遺産分割協議書作成・金融機関手続きは時間をかければ自分でできます。ただし、相続税申告は財産評価・特例適用などの専門性が求められ、自己申告では適用漏れ・記載ミスで税務調査の対象になるリスクが高まります。相続税申告が必要な場合は税理士への依頼を強くお勧めします。また相続登記も2024年4月から義務化されているため、書類の不備があると再提出となり時間がかかります。手続きの流れは相続手続きの流れまとめの記事で詳しく解説しています。誰に頼むべきかの判断は相続手続きはどこに頼む?の記事も参考にしてください。

この記事のまとめ

相続税理士と相続代行サービスの違い:まとめ

  • 相続税理士は「税理士法」に基づく国家資格者で、相続税申告・税務代理・税務書類の作成・税務相談を独占業務とする(税理士法52条)
  • 相続代行サービスは「行政書士法」「司法書士法」に基づく国家資格者が運営し、書類作成・戸籍収集・登記申請代理を独占業務とする(司法書士法73条等)
  • 相続税申告は税理士の独占業務のため、行政書士・司法書士が単独で対応することはできない。代行サービスは税理士提携で対応するのが通常
  • 料金は税理士が遺産総額の0.5〜1%(最低30万円程度)、代行サービスが36〜65万円の定額プランが主流。相続税申告が必要な場合は代行サービス+税理士費用の合算が総額となる
  • 相続税理士が向いているのは、相続税申告が必要・節税したい・財産評価が複雑(不動産・非上場株式)・税務調査が心配な方
  • 相続代行サービスが向いているのは、相続税申告が不要・不動産の名義変更だけ必要・預貯金解約の手間を省きたい・戸籍収集が複雑な方
  • 両方必要な場合は「別々に依頼」「相続専門税理士に一本化(司法書士提携あり)」「ワンストップサービス」の3つの選択肢がある
  • ワンストップサービスは税理士・司法書士・弁護士・行政書士が連携して対応する仕組みで、複雑な財産構成・忙しい方・初めての相続で判断に自信がない方に向いている
  • 依頼先選びのポイントは「相続専門かどうか(年間実績)」「連携体制」「料金の明瞭性」「口コミ・評判」の4点。相続税申告の有無を事前に確認することが最も重要
  • 違法な無資格営業(行政書士による相続税申告書作成等)に注意。依頼前に「誰がどの業務を担当するか」「その方の資格」を必ず確認すること

相続手続きは人生で何度も経験するものではないため、最初から最適な専門家を選ぶことは難しいかもしれません。まず「相続税申告が必要かどうか」を判断し、そこから税理士中心か代行サービス中心かを決めると、ミスマッチを防ぎやすくなります。迷った場合は初回無料相談を活用して、複数の事務所で見積もりを取ることをお勧めします。相続手続きの全体の流れ相続手続きをどこに頼むべきかの記事も合わせてご覧ください。あなたの相続手続きが、スムーズに、そして安心して進められるよう心から願っています。

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