相続手続き丸投げサービス5社徹底比較【2026年版】|相続アシスト・まごころ代行・信託銀行・大手税理士法人を元銀行員AFPが解説

専門家への相談

SOZOKU MARUGAKE 2026

相続手続き丸投げサービス5社徹底比較【2026年版】

相続アシスト・まごころ代行・信託銀行・大手税理士法人を
元銀行員AFP田中由美が中立的に解説

料金を徹底比較 対応範囲を明確化 遺産額別シミュレーション

「相続が発生したけれど、何から手をつければいいのか分からない」「平日は仕事で役所や銀行を回る時間が取れない」「税理士・司法書士・行政書士のどこに頼めばいいのか混乱している」——こうした悩みを抱える相続人は少なくありません。近年は相続手続きをまとめて代行してくれる「丸投げサービス」が複数登場しており、遺産分割・名義変更・相続税申告まで一括で任せることが可能になりました。ただしサービスによって料金体系・対応範囲・得意分野が大きく異なるため、選び方を誤ると「思っていたより高額だった」「肝心の申告は別料金だった」といった後悔につながります。この記事では、代表的な5社を元銀行員AFP・相続診断士の田中由美が中立的に比較・解説します。

この記事でわかること

  • 相続丸投げサービス5社の料金・対応範囲・特徴の徹底比較
  • 相続代行サービスの5つの種類と、それぞれの強み・弱み
  • 遺産額5,000万円/1億円/2億円で、どのサービスが最もコスパが良いか
  • サービス選びで失敗しない5つのチェックポイント
  • 「申告が含まれるか」「登記まで対応できるか」など必須確認事項
  • 元銀行員AFPが中立的に見たそれぞれのサービスの位置づけ

著者:田中由美(AFP・相続診断士・元銀行員)

銀行員時代から相続のご相談を数多く受けてきましたが、独立後に相談に来られた60代の男性の事例が強く記憶に残っています。お父様が亡くなり、近所の税理士事務所と司法書士事務所にそれぞれ依頼した結果、合計で180万円超の費用がかかったとのことでした。

遺産総額は約7,000万円。相続税申告が100万円、不動産3物件の登記が50万円、銀行口座の解約・遺産分割協議書作成で30万円——。それぞれの事務所の料金は適正でしたが、「丸投げできるワンストップ型」を先に検討していれば、同じ作業で100万〜120万円程度に収まった可能性が高い内容でした。

相続手続きは「どこにどの作業を頼むか」で総額が大きく変わります。ワンストップ型・税理士系・行政書士系・信託銀行系——それぞれの料金体系と得意分野を理解したうえで、自分のケースに合うサービスを選ぶことが、無駄な出費を防ぐ第一歩です。

この記事では、中立的な立場で5社を比較します。「どこか一社を推す」のではなく、あなたのケースに合うサービスを見つけていただくことが目的です。

相続丸投げサービス5社 料金・特徴 早見比較表

まず、代表的な5社を一覧で比較します。料金は公式サイト公表情報(2026年時点)をもとに、一般的なケース(不動産1〜2件・預貯金・基礎控除超過あり)を想定した概算です。実際の見積もりは各社に直接ご確認ください。

サービス名 運営母体 基本料金(目安) 対応範囲 対応エリア
① 相続アシスト SWATSコンサルティンググループ(税理士+司法書士+弁護士) 68万円(税込)〜 相続税申告・登記・各種手続きをワンストップ 全国オンライン対応
② まごころ代行センター 行政書士系(士業連携あり) 36.3万円〜(2,000万未満)/42.9万円〜(5,000万未満)/64.9万円〜(1億未満) 遺産分割・名義変更中心(相続税申告は別途) 全国対応(拠点中心)
③ 三井住友信託銀行
「まかせて安心相続手続き」
信託銀行 110万円〜 遺産整理・各種手続き中心(相続税申告・登記は提携先) 全国(店舗あり)
④ 税理士法人チェスター 相続専門大手税理士法人 相続税申告料:遺産総額の約0.5〜1.0%(下限あり) 相続税申告に特化(登記・名義変更は提携先) 全国主要都市に拠点
⑤ 税理士法人レガシィ 相続専門の老舗税理士法人 相続税申告料:遺産総額の約0.5〜1.0%(下限あり) 相続税申告に特化(登記・名義変更は提携先) 全国主要都市に拠点

比較表のポイント

  • 「基本料金」には加算料金(不動産評価・相続人の数・書類代行等)が発生する場合があります
  • 「申告込みの料金」か「申告別料金」かはサービスによって異なります。必ず見積もり段階で確認してください
  • 5社それぞれに得意分野があり、一概に「どこが最安」とは言えません。以下の各社解説と遺産額別シミュレーションをご確認ください
相続サービスを比較する資料のイメージ

そもそも相続代行サービスの種類——5つのタイプを理解する

相続代行サービスは大きく5つのタイプに分類できます。タイプごとに得意分野・料金帯・対応範囲が異なるため、自分のケースに合うタイプを理解することが選択の第一歩です。

① 完全ワンストップ型(税理士+司法書士+弁護士)

税理士・司法書士・弁護士が同一グループ内で連携し、相続税申告・不動産登記・遺産分割協議まで窓口一つで完結できるタイプ。料金は中〜高水準だが、複数事務所を渡り歩く手間が不要。代表例:相続アシスト(SWATSコンサルティンググループ)。

② 税理士系(相続税申告に特化)

大手の相続専門税理士法人が、相続税申告を中心に対応するタイプ。登記・預貯金手続きは提携先の司法書士・行政書士が担当するケースが多い。申告の質は高いが、総額が見えにくい傾向。代表例:税理士法人チェスター、税理士法人レガシィ。

③ 行政書士系(名義変更・遺産分割中心)

行政書士が中心となり、遺産分割協議書の作成・預貯金解約・名義変更を担当するタイプ。相続税申告が不要なケース(基礎控除以内)では特にコストメリットが高い。相続税申告が必要な場合は別途税理士に依頼することが多い。代表例:遺産相続手続きまごころ代行センター。

④ 信託銀行系(遺産整理業務)

信託銀行が「遺産整理業務」として、預貯金・有価証券・不動産の整理を一括サポートするタイプ。実際の税務・登記は提携先の税理士・司法書士が担当。料金は高めだが、富裕層向けで大規模資産の整理に強い。代表例:三井住友信託銀行「まかせて安心相続手続き」、三菱UFJ信託銀行「わかち愛」など。

⑤ 地域事務所型(地元の司法書士・税理士)

地元の司法書士事務所・税理士事務所にそれぞれ依頼するタイプ。料金は事務所次第だが、対面で相談しやすく、地域の不動産事情にも詳しい。ただし複数の事務所を行き来する手間や、窓口が分散することによる情報伝達のロスが発生しやすい。

タイプ選びの基本原則

「相続税申告が必要か」「不動産の数」「相続人の人数」「富裕層かどうか」の4つで適するタイプが変わります。基礎控除以内なら行政書士系、申告が必要で資産1〜2億円程度なら完全ワンストップ型、5億円超の大規模資産なら信託銀行系——という大まかな傾向があります。

①相続アシスト(SWATSコンサルティンググループ)の詳細

相続アシスト(SWATSコンサルティンググループ運営)

税理士法人・司法書士法人・弁護士法人が同一グループ内で連携する「完全ワンストップ型」の相続代行サービス。グループ内で税務・登記・法務のすべてを完結できるため、相続人は窓口一つで済みます。2026年時点では全国オンライン対応も行われており、地方在住でも利用可能です。

基本料金(公式情報)

68万円(税込)〜(相続税申告・登記・各種手続きをパッケージ化)

※ 不動産の数・相続人数・遺産規模により加算。見積もりは無料。

強み・メリット

  • 税理士+司法書士+弁護士がグループ内で連携
  • 68万円〜の明瞭料金(加算条件も開示)
  • 全国オンライン対応で地方在住者も利用可
  • 相続税申告・登記・預貯金解約を一括で依頼可能
  • 初回相談が無料

注意点・デメリット

  • 大手信託銀行のような「店舗網」ではない
  • 遺産額が2,000万円以下など小規模なケースでは他サービスの方が安くなる可能性
  • 複雑な国際相続(海外資産・国外居住者)は別途対応

こんな方に向いている

遺産総額3,000万〜2億円程度で、相続税申告+不動産登記+各種手続きを「一社ですべて」済ませたい方。料金の透明性を重視する方。地方在住でオンライン対応を希望する方。

②遺産相続手続きまごころ代行センターの詳細

遺産相続手続きまごころ代行センター

行政書士が運営する相続手続き代行サービスで、遺産分割協議書の作成・預貯金口座の解約・不動産名義変更の手配・各種書類の取得代行をパッケージ化しています。料金は遺産規模によって明確に階段状に設定されており、比較的小規模な相続で特にコストメリットが出やすい設計です。

基本料金(公式情報)

遺産2,000万円未満36.3万円〜
遺産5,000万円未満42.9万円〜
遺産1億円未満64.9万円〜

※ 相続税申告は含まない。必要な場合は提携税理士に別途依頼(別料金)。

強み・メリット

  • 料金の階段設定が明確で見積もりやすい
  • 遺産5,000万円未満なら42.9万円〜とリーズナブル
  • 行政書士が中心のため書類作成が丁寧
  • 相続税申告が不要なケースで特にコスパが良い

注意点・デメリット

  • 相続税申告は料金に含まれない(必要な場合は別途税理士へ)
  • 遺産総額が1億円超の場合、別枠での見積もりとなる
  • 弁護士が必要な紛争対応は提携先へ
  • 拠点中心の対応で、遠隔地は書類郵送中心になる

こんな方に向いている

遺産総額が基礎控除以下〜5,000万円程度で、相続税申告が不要、または別で税理士を決めている方。名義変更・遺産分割協議書作成を中心に丸投げしたい方。料金を抑えつつ手続きから解放されたい方。

③三井住友信託銀行「まかせて安心相続手続き」の詳細

三井住友信託銀行「まかせて安心相続手続き」

信託銀行が提供する「遺産整理業務」の代表格です。預貯金・有価証券・不動産の整理を一括でサポートし、提携先の税理士・司法書士と連携して相続税申告・登記まで対応します。全国に店舗を持ち、対面での手厚いサポートが受けられる点が特徴です。

基本料金(公式情報・2026年時点)

最低報酬110万円〜(遺産規模に応じて加算)

※ 相続税申告・登記は提携先の税理士・司法書士が担当し、それらの報酬は別途。各信託銀行で料金体系は類似していますが、詳細は公式窓口で確認してください。

強み・メリット

  • 全国に店舗があり対面で手厚いサポート
  • 大手金融機関の安心感・信用力
  • 大規模資産(数億円〜)の整理に強い
  • 有価証券・投資信託・外貨預金などの金融資産の整理に長けている

注意点・デメリット

  • 最低報酬110万円〜と他サービスに比べ高額
  • 相続税申告・登記は別途料金(提携先)
  • 遺産3,000万〜5,000万円規模では割高になりやすい
  • 提携先の税理士・司法書士は銀行が決めるため、専門家を自分で選びにくい

こんな方に向いている

遺産総額2億円以上(特に5億円以上)の富裕層。有価証券・投資信託・外貨預金など金融資産が多く、大手金融機関の手厚いサポートを求める方。料金より安心感・信用を優先する方。

④税理士法人チェスターの詳細

税理士法人チェスター

相続税申告に特化した大手の税理士法人で、年間の申告実績が業界トップクラスと言われています。相続税申告の専門性の高さが強みで、税務調査対応にも手慣れた税理士が多数在籍しています。登記・名義変更などは提携先の司法書士・行政書士が担当します。

基本料金(公式情報)

相続税申告報酬:遺産総額の約0.5〜1.0%(下限あり)

※ 不動産評価・相続人数・特殊案件(書面添付制度・非上場株式等)で加算。登記・預貯金手続きは提携先へ別途依頼。

強み・メリット

  • 相続税申告の業界トップクラスの実績
  • 税務調査対応にも慣れた税理士が多数在籍
  • 書面添付制度の活用で税務調査リスクを低減
  • 全国の主要都市に拠点があり対面相談も可能

注意点・デメリット

  • 登記・名義変更・遺産分割協議は提携先へ別途依頼
  • 総額が見えにくい(「申告だけ」と「手続き全体」で金額が変わる)
  • 遺産総額が大きいほど報酬額も大きくなる(0.5〜1.0%制)
  • 小規模相続(基礎控除以下)は対象外

こんな方に向いている

相続税申告の「専門性」を最重視する方。非上場株式・事業用資産・複雑な税務が絡むケース。税務調査リスクを最小化したい方。登記・名義変更は自分で別途司法書士に依頼することを前提にしている方。

⑤税理士法人レガシィの詳細

税理士法人レガシィ

昭和40年代から続く相続専門の老舗税理士法人で、累計の相続税申告件数では業界トップクラスです。代表である天野隆氏の著書も多数あり、相続業界では広く知られた存在です。チェスターと並び、相続税申告の専門性・ノウハウで高い評価を受けています。

基本料金(公式情報)

相続税申告報酬:遺産総額の約0.5〜1.0%(下限あり)

※ チェスターと同様、登記・名義変更は提携先へ別途依頼。業界の一般的な料金水準。

強み・メリット

  • 創業数十年の老舗で累計申告件数が豊富
  • 著書・セミナーも多く業界認知度が高い
  • 不動産を絡めた相続・二次相続対策に強み
  • 全国の主要都市に拠点あり

注意点・デメリット

  • 登記・名義変更・遺産分割協議は提携先へ別途依頼
  • 料金はチェスターと同水準で、申告特化型
  • 小規模相続には向かない
  • 担当者によって対応品質にばらつきがあるとの声も

こんな方に向いている

不動産を多数保有する相続、二次相続対策を意識したい方。老舗の税理士法人に依頼したい方。申告に加えて相続後の資産運用・事業承継も見据えて長期的に付き合える税理士を探している方。

相続サービスを選んで決断する日本人のイメージ

遺産額別:どのサービスが一番安くなるか?シミュレーション

遺産規模によって、どのサービスが最もコスパが良いかは変わります。ここでは「不動産1件+預貯金あり・相続人2〜3名・相続税申告あり」という一般的なケースを前提に、遺産額5,000万円/1億円/2億円の3パターンで概算を比較します。実際の料金は各社の見積もりが必要ですが、おおまかな相場感として参考にしてください。

ケース1:遺産総額5,000万円(不動産1件+預貯金)

サービス 概算料金(税込目安) 申告含む? 登記含む?
相続アシスト約80〜100万円◎ 含む◎ 含む
まごころ代行約43万円〜+申告別途30〜50万円=計約80〜95万円× 別途◎ 含む
三井住友信託銀行約150〜200万円(最低110万+申告・登記別途)× 別途× 別途
チェスター約40〜60万円(申告)+登記別途10〜15万円=計約50〜75万円◎ 含む× 別途
レガシィ約40〜60万円(申告)+登記別途10〜15万円=計約50〜75万円◎ 含む× 別途

5,000万円規模のコスパ評価

申告+登記を完全丸投げする前提では、相続アシスト(80〜100万円)が最安レベル。自分で登記を司法書士に別依頼する前提ならチェスター・レガシィの申告特化型が候補になります。信託銀行は割高になります。

ケース2:遺産総額1億円(不動産2件+預貯金+有価証券)

サービス 概算料金(税込目安) 申告含む? 登記含む?
相続アシスト約120〜160万円◎ 含む◎ 含む
まごころ代行約65万円〜+申告別途60〜100万円=計約125〜165万円× 別途◎ 含む
三井住友信託銀行約200〜280万円(信託報酬+申告・登記別途)× 別途× 別途
チェスター約70〜100万円(申告)+登記別途15〜25万円=計約85〜125万円◎ 含む× 別途
レガシィ約70〜100万円(申告)+登記別途15〜25万円=計約85〜125万円◎ 含む× 別途

1億円規模のコスパ評価

この規模では相続アシストとチェスター・レガシィ(登記別途)が近い料金帯で、自分で登記の手配をする前提ならチェスター・レガシィ、完全丸投げなら相続アシストが有力候補です。信託銀行はやはり高め。

ケース3:遺産総額2億円(不動産3件+預貯金+有価証券+非上場株式)

サービス 概算料金(税込目安) 申告含む? 登記含む?
相続アシスト約200〜280万円◎ 含む◎ 含む
まごころ代行個別見積もり+申告別途(計約250〜350万円想定)× 別途◎ 含む
三井住友信託銀行約300〜450万円(信託報酬+申告・登記別途)× 別途× 別途
チェスター約120〜200万円(申告)+登記別途25〜40万円=計約150〜240万円◎ 含む× 別途
レガシィ約120〜200万円(申告)+登記別途25〜40万円=計約150〜240万円◎ 含む× 別途

2億円規模のコスパ評価

非上場株式や複雑な税務が絡むケースでは、申告の専門性でチェスター・レガシィの申告特化型に分があります。登記を含めて完全丸投げしたい場合は相続アシストの方がトータルで有利になるケースも。信託銀行は「対面での手厚いサポート」という付加価値を優先する富裕層向け。

相続手続きの費用相場全体の目安は相続手続きの費用相場、税理士の選び方については相続税に強い税理士の選び方の記事も参考にしてください。

サービス選びで失敗しない5つのチェックポイント

料金の数字だけで決めると「後で別料金が発生した」「期待していたサービスが含まれていなかった」という後悔が生じがちです。以下の5つの観点で確認すると失敗が減ります。

1

料金に「何が含まれ、何が別料金か」を明確化する

相続税申告・不動産登記・預貯金解約・戸籍収集・書類取得代行・税務調査対応——これらのうち、基本料金に含まれるものと別料金のものを一覧で確認しましょう。見積もりを取る際は「最終的に支払う総額」の概算を必ず出してもらうことが重要です。

2

ワンストップか「提携先連携」かを見分ける

「ワンストップ対応」と謳っていても、実態は「提携先の税理士・司法書士を紹介する」という形式の場合があります。グループ内で税理士・司法書士・弁護士を抱えている「真のワンストップ」か、外部提携形式かで、情報伝達のスムーズさや料金の明瞭性が大きく変わります。

3

担当者の経験年数・実績を確認する

大手であっても、実際の担当者が経験の浅い若手というケースがあります。初回面談で「担当者の経験年数」「過去の類似案件の件数」「税務調査対応の経験有無」を具体的に聞きましょう。違和感があれば、担当者の変更を相談するか、他のサービスも比較検討してください。

4

相続税申告の「書面添付制度」に対応しているか

書面添付制度は、税理士が申告書に「適正に申告した」と意見を付ける制度で、税務調査リスクを大幅に低減できます。大手の相続専門税理士法人は多くが対応していますが、一般の税理士事務所では対応していない場合もあります。高額資産の相続では、必ず事前に確認しましょう。

5

キャンセル・中途解約の条件を確認する

契約後に「やはり他に頼みたい」と思うこともあります。中途解約時の返金ルール・違約金の有無を契約前に確認しましょう。初回相談の段階で「契約書の解約条項」を見せてもらえるサービスは、総じて良心的な傾向があります。

田中由美からのアドバイス

銀行員時代の経験から申し上げると、「料金だけで決めない」ことが大事です。むしろ「担当者との相性」「連絡のスピード」「説明の分かりやすさ」を初回面談で確認した方が、後々のストレスを防げます。複数社から見積もりを取ったうえで、料金と合わせて「この人に頼めば安心」と思える担当者を選んでください。専門家の選び方全般は相続の専門家の選び方の記事で詳しく解説しています。

よくある質問(Q&A)

Q. 相続丸投げサービスはどこでも全国対応していますか?

A. サービスによって対応エリアが異なります。相続アシストは全国オンライン対応で、地方在住でも利用可能です。まごころ代行センターは拠点中心で、遠隔地は書類郵送中心の対応になります。三井住友信託銀行は全国の店舗で対応できますが、大都市圏以外は店舗数が限られます。チェスター・レガシィは主要都市に拠点があり、その周辺地域が中心です。不動産の所在地と相続人の居住地を伝えて、対応可能か事前に確認してください。

Q. 料金の「〜」という表記、実際はいくらになることが多いですか?

A. 「〜」は「この金額以上」を意味し、実際の料金は加算条件(不動産の数・相続人の数・預貯金口座の数・非上場株式の有無など)で変わります。経験上、不動産1件・相続人2〜3名の一般的なケースでは「基本料金の1.2〜1.5倍」程度で収まることが多いです。ただし不動産が複数、相続人が4名以上、非上場株式ありのケースでは「基本料金の2倍近く」になることもあります。必ず初回面談で「自分のケースでの概算総額」を出してもらってください。

Q. 相続税申告が不要な場合、どのサービスが向いていますか?

A. 相続税申告が不要(遺産が基礎控除以内)なら、行政書士系のまごころ代行センターが最もコストメリットが高いケースが多いです。36.3万円〜(2,000万円未満)・42.9万円〜(5,000万円未満)で名義変更・遺産分割協議書作成・預貯金解約までまとめて依頼できます。相続税申告が必要なケースでは、申告費用が別途30〜100万円程度発生するため、ワンストップ型(相続アシスト)との比較が必要です。

Q. 信託銀行に頼むメリットはどのあたりですか?

A. 信託銀行の強みは「大手金融機関の安心感」「全国店舗網での対面サポート」「有価証券・投資信託・外貨預金など金融資産整理のノウハウ」「富裕層向けのセカンドオピニオン的な総合アドバイス」です。一方で、最低報酬110万円〜と他サービスに比べ高めで、相続税申告・登記は提携先の税理士・司法書士が担当するため、総額はさらに高くなります。遺産2億円以上の富裕層、または「多少高くても大手金融機関に任せたい」という方に向いています。

Q. 複数社に見積もりを取るのは失礼ですか?

A. まったく失礼ではありません。むしろ適切な判断のためには複数社から見積もりを取ることが推奨されます。初回相談は無料の事務所がほとんどで、2〜3社に同じ条件で見積もりを依頼し、料金・担当者の印象・提案内容を比較してから決めるのが一般的です。見積もり依頼時は「他社にも見積もりを依頼している」と正直に伝えると、先方も誠実な見積もりを出してくれる傾向があります。

Q. 相続人同士で揉めている場合でも丸投げサービスは使えますか?

A. 相続人同士で意見が対立している場合(争族状態)は、丸投げサービスでは対応できません。税理士・司法書士・行政書士は中立の立場が必要なため、紛争が発生すると業務を引き受けられなくなります。紛争対応は弁護士の業務(代理人活動)になるため、まず弁護士に相談して遺産分割調停・審判を進め、分割方針が確定してから税理士・司法書士に申告・登記を依頼する流れになります。相続アシストのようなグループ内弁護士対応のサービスは、紛争の兆候段階からの相談にも対応しやすい形態です。

Q. 丸投げすれば本当に何もしなくていいのですか?

A. 「丸投げ」と言っても、相続人がすべきことは完全にはゼロにはなりません。具体的には、①遺産分割方針の合意(相続人間の話し合い)②必要書類への署名・押印・印鑑証明書の提出③遺言書・通帳・権利証などの原本の提供④重要な意思決定の判断——は相続人自身が行う必要があります。ただし、戸籍収集・役所との手続き・税務署提出・法務局提出などの実務作業は完全に代行してもらえるため、平日仕事のある方・遠方に住んでいる方にとっては大きな負担軽減になります。相続手続きの全体の流れは相続手続きの流れまとめをご覧ください。

ONE-STOP SOLUTION

5社比較で見えた「コスパ最強」の選択肢が気になる方へ

相続税申告+各種手続きをワンストップで代行する中で、68万円〜の明瞭料金・税理士+司法書士+弁護士連携・全国オンライン対応という条件を満たすサービスを詳しく解説しています。

この記事のまとめ

相続手続き丸投げサービス5社比較のまとめ

  • 相続代行サービスは①完全ワンストップ型 ②税理士系 ③行政書士系 ④信託銀行系 ⑤地域事務所型の5種類に大別される。相続の規模・内容に応じて最適なタイプが変わる
  • 相続アシスト(SWATS)は68万円〜の明瞭料金で税理士+司法書士+弁護士が同一グループ内で連携する「完全ワンストップ型」。全国オンライン対応で、登記・申告・各種手続きを一社に任せたい方に向く
  • まごころ代行センターは36.3万〜64.9万円の料金階段で、行政書士が中心の名義変更・遺産分割協議書作成サービス。相続税申告が不要なケースで最もコストメリットが高い
  • 三井住友信託銀行「まかせて安心」は110万円〜と料金高めだが、大手金融機関の安心感・全国店舗網・金融資産整理のノウハウが強み。遺産2億円以上の富裕層向き
  • 税理士法人チェスター・レガシィは遺産総額の0.5〜1.0%制で相続税申告に特化。書面添付制度・税務調査対応の専門性が高く、非上場株式・複雑な税務のケースに強い
  • 遺産5,000万円規模では相続アシストの完全丸投げとチェスター・レガシィの申告特化型が近い料金帯。遺産1億円では相続アシストが登記込みでの総合力、申告特化ならチェスター・レガシィ
  • 遺産2億円超では、非上場株式の評価や書面添付など専門性が必要なケースはチェスター・レガシィ、登記・手続きを含めた完全丸投げなら相続アシスト、富裕層向けの手厚いサポートなら信託銀行系が選択肢になる
  • サービス選びの5つのチェックポイントは「料金に何が含まれるか」「真のワンストップか提携連携か」「担当者の経験」「書面添付制度対応」「中途解約条件」。料金だけで決めない
  • 必ず複数社(2〜3社)から同条件で見積もりを取り、料金・担当者の印象・提案内容を比較して決めること。初回相談は無料のサービスがほとんど
  • 相続人同士で揉めている場合(争族状態)は丸投げサービスでは対応できない。まず弁護士に相談し、分割方針を確定してから税務・登記を依頼する流れ
  • 「丸投げ」と言っても、遺産分割方針の合意・書類への署名押印・原本提供などは相続人自身が行う必要がある。ただし役所・税務署・法務局への実務作業はすべて代行可能
  • 費用相場全体の目安は相続手続きの費用相場、税理士の選び方は相続税に強い税理士の選び方、専門家全般の選び方は相続の専門家の選び方の記事も参考に

相続手続き丸投げサービスは、使いこなせば大きな負担軽減になりますが、選び方を誤ると数十万円単位の出費の差になります。この記事の比較を参考に、まずは2〜3社から見積もりを取り、自分のケースに合うサービスを見つけてください。相続手続きの全体の流れは相続手続きの流れまとめ、誰に頼むべきかの総合解説は相続手続きはどこに頼む?の記事もあわせてご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました